コラム

2018.09.01 UP
なぜ難聴であることがわかりにくい? その1

お子さんの耳に軽度の難聴があっても、呼べば振り向きます。様々な音に反応します、会話もできますので、聞こえているように見えます。ただし、ささやき声や指こすり音のような小さな音は聞こえていません。そのため、ことばの一音一音を正確に聞き分けることは難しいのです。それでも日常会話であれば、普通に会話が通じているように見えます。ただし、注意深く観察すると、時々会話が通じていなかったり、間違って聞き取っていたりしています。このように、難聴であることが分かりにくい一番の理由は、聞こえているように見えてしまうことです。

では、正確にことばを聞き分けることが難しいのに、なぜ会話ができてしまうのでしょう。それは多少曖昧に聞こえても、人の脳は理解する能力があるからです。例えば、「つぁんりんつぁ」と聞こえても、「さんりんしゃ」のことだと理解できます。

お子さんが会話を聞いて理解できている様子を見れば、保護者の方は「聞こえている」と思ってしまいます。このことも難聴であることが分かりにくい理由の一つです。