難聴に伴う子どもの困難
子どもに軽度難聴等がある場合、会話音の一部は聞こえても、一部は聞こえないという困難さがあります。それでも本人は理解しようと気持ちを集中して聞いたり、口の動きを見たり、話の前後関係から聞き取れなかった部分を推測して理解しようと努力をします。その結果、状況によっては理解できる場合がありますが、状況によっては理解できなかったり、聞き間違えてしまう場合もあります。
例えば、以下のような場合です。しかも、理解できる場合があるため、周りの人から見ると「聞こえている」と「誤解」をされることがあります。会話が理解しにくいという困難さがある上に、「その困難さが周りの人々に理解されにくい」という困難さが重なります。
・声が大きいと聞こえやすいが、小さいと聞こえにくい。
・距離が近いと聞こえやすいが、離れると聞こえにくい。
・静かな場所は聞こえやすいが、周囲の騒音が大きいと聞こえにくい。
・聞こえる耳の側は聞こえやすいが、聞こえない耳の側は聞こえにくい。
・ゆっくりした話は理解しやすいが、早口の話は理解しにくい。
・話し手の口の動きが見えると理解しやすいが、見えないと理解しにくい。
・知っていることばは理解しやすいが、初めて聞くことばは理解しにくい。
・話題がつかめると理解しやすいが、話題がつかめないと理解しにくい。
・相手が一人だと理解しやすいが、相手が複数だと理解しにくい。
・相手が大人だと理解しやすいが、相手が子どもだと理解しにくい。
・本人が聞こうとしている時は聞けるが、集中力が切れると聞けなくなる。
・本人が安心できる場面では聞いていられるが、不安な場面では聞けなくなる。